自作バキュームポンプのすゝめ。

2025-12-14

ハウジングが水没しました

こんにちは。僕のだいびんぐらむです。

皆さんは水没、怖いですよね?

僕は怖いです。カメラが海水漬けになる悪夢をたまに見ます (ガチ)。

そんな我々の精神安定剤となるのが「リークセンサー」ですが、これを使うにはハウジング内を陰圧にするためのバキュームポンプが必須です。

ちなみに、先日、自宅での塩抜きをするときにバキュームをサボったらハウジングが水没しました…。修理体験談はまたの機会に記事にします。

話は戻りまして、このポンプ作業、地味に苦行じゃないですか?

今回はその苦行から解放されるために、バキュームポンプを自作してみたお話です。

純正バキュームポンプへの不満と絶望

僕が使っているSEA&SEA純正のバキュームポンプ、これには大きな欠陥があります。

1. 地味に高い

SEA&SEA製のものは現在値段が分かりませんでしたが、Nauticam製のものは6,000円を超えていました。何で???

2. 壊れやすい

構造上、ポンピングの作用点が中心からずれているため、力が一点に集中しやすいです。その結果、プラスチックが悲鳴を上げて逝きます。

実際に3年間で2回同じ場所が割れました

3. 手が死ぬ

片手でしか「シュコシュコ」できない構造なので、回数を重ねると手のひらがバグります。ダイビング前の準備運動にしてはハードすぎます。

Marelux製品への憧れと挫折

そこで目につけたのが、Marelux製の「オートマチックバキュームポンプ」

ボタン一つで自動で空気を抜いてくれる、まさに神の道具。

しかし、価格を見て膝から崩れ落ちました。

$97.9(約15,000円)。

無理です。そのお金があったら日帰りで伊豆で潜れます。

というわけで、自作の道へ進むことにしました。

自作ポンプ1号機くん

目を付けたのは、八千代工業の「吸いまっせ! 吸引型ペットボトルつぶし器」

Amazonで429円。安すぎる。送料込みで1,000円しませんでした。

これなら1回のシュコシュコで吸引できる体積が大きく、何より両手で扱えるので楽なはずです。

しかし、ここで問題発生。

先端がゴム製だと思って意気揚々と購入したのですが、ゴムなのは外側だけで内側はプラスチックでした。当然、バキュームバルブにサイズが合いません。

DIYの道へ

「入らぬなら、切ってしまえ」と、糸鋸で先端を切断しました。

まだサイズが大きい。

さらに切断しました。

切りすぎました。

誰にやられたんだ…こんなひどいこと…

完全にやらかしましたが、ここで諦めるわけにはいきません。

元々使っていた純正バキュームポンプの先端パーツを取り出して内側からぶっ刺してみました。

ただそのままでは空気の逃げ道がなくてペットボトルつぶし器の中に真空を作り出してしまったので、先端パーツを何とかして先っぽに固定しないといけません。

誰でもよかった
真円を切り出すのむずいよね

そこで、100均で買ってきた排水溝フィルターを駆使して、ペットボトルつぶし器の中に支えとして固定するという暴挙に出ました。

自作ポンプ1号機くん

結果……めちゃくちゃいい感じで使えました!!!

見た目はフランケンシュタインですが、機能はしています。

自作ポンプ2号機くん

後日、ダイソーをふらついていると、220円でもう一回り小さいペットボトルつぶし機が売られているのを発見しました。

「これは……持ち運び用にいけるのでは?」

当然、先端のサイズは合いません。しかし私は学びました。

ハサミを入れてねじり、内部のプラスチックを削るように成形することで、ピッタリサイズに加工できることに気づいたのです!

最初からこれで良かったやん…

吸引部の体積は1号機より小さいですが、コンパクトでカメラバッグの隙間に収まります。

比較:純正 vs 自作小 vs 自作大

では、実際にどれくらい楽になったのか検証してみましょう。

機材は Canon R5 + RF100mm の組み合わせです。自分の持っているポートとレンズの組み合わせの中ではハウジングの体積は一番小さめです。

結果は以下の通りです。

ポンプの種類

シュコシュコ回数

疲労度

所感

純正ポンプ

50回

★★★★★

片手なので手のひらが死ぬ。苦行。

自作(小)

30回

★★☆☆☆

両手で扱えるので回数の割に疲れにくい。

自作(大)

8回

☆☆☆☆☆

驚異の8回。 楽すぎて涙が止まらない。

結論

自作(大)の「8回」は世界が変わります。

純正で50回シュコシュコしていたあの時間は何だったのでしょうか。

皆さんもぜひ、バキュームポンプを自作して、余った体力と浮いたお金をダイビングに回してみてください。

それでは、次回の「ハウジング水没体験記。」でお会いしましょう。